第73回上映会 「泥の河」

第73回上映会 2023年5月5日(金・祝)

横浜市南公会堂

作品『泥の河』

小栗康平第一回監督作品

キネマ旬報ベスト・テン第1位

キネマ旬報ベスト・テン日本映画監督賞受賞

キネマ旬報ベスト・テン助演女優賞(加賀まりこ)受賞

日本映画ペンクラブ第1位

毎日映画コンクール最優秀作品賞受賞

毎日映画コンクール最優秀監督賞賞

毎日映画コンクール主演男優賞(田村高廣)受賞

ブルーリボン賞最優秀作品受賞

日本アカデミー賞優秀作品賞受賞

日本アカデミー賞最優秀監督賞受賞

 

加藤彰彦(野本三吉)さんの講演決定!!!

あのとき少年時代は終わった。

いま、痛みの源流へ遡りたい。

1981年/日本/モノクロ/105分/DVD上映

【出演】

 田村高廣 藤田弓子 加賀まりこ 朝原靖貴 桜井稔 柴田真生子 殿山泰司

 蟹江敬三 西山嘉孝 初音礼子 八木昌子 芳賀洋子 麻生亮 芦屋雁之助

【スタッフ】

 監督:小栗康平 製作:木村元保 脚本:重森孝子 音楽:毛利蔵人

 撮影:安藤庄平 照明:島田忠昭 美術:内藤昭 原作:宮本輝 

[日時]2022年5月5日(金・祝)

 1回目上映 11:10~12:55 (10:40開場)

  講演会 加藤彰彦(野本三吉) 13:00~14:00

  2回目上映 14:10~15:55(13:40開場)

[会場]横浜市南公会堂 

          (市営地下鉄「阪東橋」駅 徒歩 約8分・京浜急行「黄金町」駅 徒歩 約14分)

[入場料]前売1,000円/当日1,300円

       障がい者:1,000円 (介助者1名無料)

[チケットぴあ](Pコード:552-731

    チケットぴあ

  「セブン-イレブン」でチケットの発券ができます。

   購入は5月4日(木)迄となります。 

[プレイガイド]

   有隣堂伊勢佐木町本店      TEL 045-261-1231

   高橋書店(元町)        TEL 045-664-7371

   いづみ書房           TEL 045-241-1104

   シネマジャック&ベティ(黄金町) TEL 045-243-9800

   横浜シネマリン(長者町)    TEL 045-341-3180

   岩間市民プラザ(天王町)    TEL 045-337-0011

[後援]横浜市教育委員会

[主催・問合せ]横浜キネマ倶楽部 080-2554-8023(10~18時)

【作品紹介】

©小栗康平事務所
©小栗康平事務所
【解説】 

「大地の子守唄」「曾根崎心中」(監督 増村保造)についで木村元保(木村プロ)が製作する第三弾。原作は「蛍川」で芥川賞作家となった宮本輝の処女作であり、第十三回太宰治賞受賞作品である。今回が監督第一回である小栗康平は、モノクローム、スタンダード画面という古典的な手法で、「生」のかたちを、今、逆上せずにとらえることの困難さに挑んで、戦後生れの、ある世代の原質を探りあてようとしている。舞台は戦後の混乱期を経て朝鮮動乱の新特需を足場に高度経済成長へと向う、いわばとば口にあった昭和三十一年、大阪安治用河口。物語は、河っぷちの食堂の九歳になる少年と、その対岸にある日つながれた廓舟(くるわぶね)の姉弟とのつかの間の交流と別れである。戦争とその戦後ゆえに人生が決めた大人たちの移ろいゆく傷とためらい、そこにつらなる自分の出生と成長――映画は、河の淵にとどまって暮らすことの人間への愛着と、流されゆく絶望を、少年のまなざしによって純化していく。

 

©小栗康平事務所
©小栗康平事務所
【物語】

まだ焼跡の臭いを残す河っぷちで、食堂を営む家族がある。その一人息子である信雄(九歳)は、ある雨の早朝、橋の上で鉄屑を盗もうとする少年、喜一に出会った。雨に煙る対岸にその日つながれた、みすぼらしい宿船の少年である。船の家には銀子(十一歳)という優しい姉と、板壁の向こうで声だけがする姿の見えない母がいた。友達になったことを父、晋平に話すと、夜はあの船に行ってはいけないという。窓から見える船の家が信雄を魅惑し不安にする。夕飯にその姉弟も招いて父親が暖かくもてなした時、喜一が歌をうたった。「戦友」であった。子供たちの交流が深まり始めたある日、見知らぬ一人の男が食堂を訪ねた。終戦直後、晋平が別れたかつての女房の病変の知らせである。不可解な人生の断面が信雄に成長を促していく。楽しみにしていた天神祭りがきた。だが、その祭りのさなか、喜一は握りしめたお金を落としてしまうのである。しょげきった信雄を慰めようと喜一は、夜、船の家に誘った。泥の河に突き差した竹箒に蟹の巣があった。喜一はその宝物である蟹にランプの油をつけ火をつけて遊ぶのである。船べりを逃げる蟹を追った時、信雄は喜一の母の姿を見た。船は廓舟と呼ばれていたのである。翌日、船の家は岸を離れた。信雄は曳かれていく喜一の船を追い続けて、初めて生きることの悲しみを自らの人生に結びつけたのである。

【会報】第73回上映会『泥の河』(2023年05月05日).pdf
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第73回上映会「泥の河」チラシ 表
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第73回上映会「泥の河」チラシ 裏
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映画『泥の河』チラシ.pdf
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